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七月七日は、古来其夜お賞し、是お七夕と雲ふ、七夕は古は、なぬかのよと呼びしが、後にたなばたと雲ふ、棚機(たなばた)つ女の省言にて、織女お雲ふなり、支那の俗説に雲ふ、此夜牽牛織女の二星相遇ふ、巧お之に乞へば、其願お得と、故に我朝廷に於ても、乞巧奠の設ありて、織女祭とも称す、後世民間にては、葉竹お屋上に樹て、色紙短冊等お附するお例とす、亦乞巧奠の遺意なり、