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洞中年中行事
七月
七夕従禁中御硯まいらせらるヽ、右京大夫持参なり、内侍請取献之、則かぢの葉に手向の歌お被書付、是お御硯蓋にのせ、内侍持出て蔵人に被渡、蔵人請取て是お七夕に備るなり、御殿の棟へ上る也、 御硯調やう広蓋に御硯石計七つ、御筆墨あり、〈◯図略〉御歌被書付て後、其かぢの葉に供物お包、其上お紙のひねりにて十文字に結なり、供物は秋の景物などやうのもの也、委は不及見、此外不知為指事、