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空穂物語
祭の使
七月七日に、大将殿にあくる日とヾめて、にしのおとヾよりあおいろに、すはうがさね、れうのうへのはかま、みへがさねのはかま、ひとへがさねのあや、かいねりのあこめきたるわらは、かみたけひとしき八人のなかのおとヾより、あか色にふたあいがさねのあこめはかま、おなじき八人、きたのおとヾより、うすものにあやかどりかさねたる、おみなべしいろのかざみ、あこめはかま、おなじやうにて八人、かた〴〵よりあゆみいでヽ、おまへのぜんざいまへのしたに、そりはしうきはしおわたしつヽ、いろ〳〵のいとどもお一づヽ、たなばたにたてまつる、つぎてすのこに、まきえのたなつま七つたてヽ、ひさしにみすかけならべたてヽ、よきけづりさほわたして、色々の御ぞ共いろおつくしときほどき、おほいかおならべ、御てうどいろおつくし、なおとヽのへ、御かづらどもたけおとヽのへ、かずおつくして、かた〳〵にかざられたり、風にきほひて、ものヽかどもふきくはへぬところ〴〵なし、節供れいのことあづかり、ことにおしきまいり、物はおなじかずにまいり、あづかりどもに女のよそひこと〴〵く、本家の御方より、めしならべて給、なみたちてぶたうしたり、