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北条五代記

昔矢軍の事
見しは昔、関東諸国に弓矢とる東西南北において、やんごとなし、〈◯中略〉扠又鉄お木鋒のごとくうちのべ、さきおのみのごとく作り、矢の根とす、是おすやきと名付、毎年七月には、七夕の矢と号し、大名、小名、知行役に主人へ上る、十筋の内五つはすやき、五つは木鋒、いづれも是お数矢と名付たり、