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奇遊談
三下
大心院町盆躍 新町の北、清蔵口の南の町お大心院町といふ、細川政元の第跡也、永正四年六月廿三日夜、家臣戸倉がために生害す、其一族六郎澄元お養子とす、いかにして政元、澄元の人おいるヽことのありしにや、于今毎年此町の人々、七月の夜、かの追福のためにとて、念仏お修行し、踊お催すこと今にたへず、言伝へたることもあらねど、かヽることのたへざるは、其人の徳によることぞとおもはれき、