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御湯殿の上の日記
明応四年七月六日、御めでた御さか月、二宮の御かた、三宮の御かた、おかどの御ふた御所、ほうあん寺殿、大じやう寺どの御ふた御所、あんぜん寺どのよりも、御まいりなけれども、御さかな三色、一かまいる、のこり御所々々よりは、ながはしへ、御申どもありし、ふたゆふめして、うたはせらるヽ、御さかづきの御かず八こん参る、 十日、めでた御さか月参る、宮の御かた、ふしみどの、御むろ、くわじゆ寺の宮はしいんの御かつしき御所も、御参りあり、おり五かう御たる二かまいる、ふしみ殿より、御かわらけの物三色、一かまいる、くろどにて九こん参る、三こんに、宮の御かたしやく、五こんに、ふしみどの、六こんに、御かつしき御所ばかりまいらるヽ、七こんに、てんしやくこと〴〵くにたぶ、御ともに六らう、よしらうなど参る、めしてうたわせらるヽ、御ひしひしとめでたし〳〵、 十三日、しもかはら殿より、めでた御さか月まいらせらるヽ、御いはいありて、あなたへ御かわらけのもの二色にて、一かまいらせらるヽ、あんぜんじどのへも、御かわらけのもの三いろにて、一かまいらせらるヽ、 七年七月九日、宮の御かた、ふしみ殿、二宮、三宮、めうほう院殿、御むろ、御かつしき御所、大しいんの御かつしき御所、めでた御さか月まいる