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安斎随筆

一頼之祝(八月) 鴨長明四季物語に雲、〈秋上の部八月〉ついたちには、たのむの御いはひとて、むかしはさしてものし給はざりしお、小松のみかどたヾ人にてましませし比、奉りそめて、御世につかせ給ひて、昭宣公のかたものせさせ奉られしなり、いろ〳〵のくだ物お、その年の御わせにそへて奉る、いつくさのもちいなど、この事つかふまつる、〈◯中略〉貞丈雲、長明が四季物語偽書也、八朔祝のおこり、正史実録に見えず、用る事なかれ、