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東都歳事記
三八月
朔日 八朔御祝儀、〈五つ時白帷子にて御礼有〉貴賤佳節お祝す、〈今日お田実(たのみ)といひて、往古よりの佳節とすれども、東都にては、わけて祝すべき日なり、天正十八年八月一日、台駕はじめて江戸に入らせ給ふ、かくてぞ四海昌平に帰し、万民鼔腹して楽しむにあらずや、神恩たれか尊み祝し奉らざるべき、公にも五度の佳節より、わけて祝はせらるヽとぞ聞えし、 元禄の頃、清原長須といふ人の編集の中に、江城八朔の白かたびらは、八月の節お白露といふによる歟といへり、◯中略〉今日吉原遊女、一般に白小袖お著して仲の町へ出る、