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武江年表

此年間〈◯元禄〉記事 吉原の遊女、八朔に白無垢お著する事、元禄中、江戸町壱丁目巴屋源右衛門が抱へ高橋といへる太夫、その頃瘧(ぎやく)おわづらひ居けるが、馴染の客来りし時、臥居ける白むくの儘にして、揚屋入しける容の艶なりしより、是お真似て八朔には、一般に白むくお著る事になりし由、花街大全にいへり、〈思ふに、昔の遊女に、米島丹後守、出来島長門守抔名のりしもの有、是等のともがら、武家の例に事よせ、八朔に白き衣裳お著したるか、尚可考、〉