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八月十五夜の月お賞することは、支那人に効ひしものにて、寛平延喜の頃より、之お以て高興と為し、宴お設け詩歌お賦すること、漸く盛にして、後世に至るまで衰へず、而して民間にては、芋、団子等お月に供し、又互に贈遺するお以て例とす、
九月十三夜の月お賞することは、醍醐天皇の時より起り、爾後八月十五夜と相対し、並に此夜お称し、以て明月の夜とす、