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後水尾院当時年中行事
上八月
十五日、名月御さかづき、つねの御所にて参る、まづいも、次に茄子お供ず、なすびおとらせまし〳〵て、萩のはしにて穴おあけ、穴のうちお三反はしおとほされて、御手にもたる、御さかづき参りてのち、御前のおてつす、せいりやうでんのひさしに、かまへたる御座にて月お御覧あり、彼の茄子の穴より御覧じて御願あり、これらも専世俗に流布の事也、禁中には、いつの比よりはじまれることにか、