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俳諧歳時記
八月
名月〈名高き月、けふの月、今宵の月、十五夜、三五夜、望月、月見、中秋、十五夜の月お玩ぶこと、中ごろより和漢みな然り、民間今日〓お製し、同器に芋と枝豆とお盛り、并に神酒尾花お月に供し、或は互に相贈る、今の清人の説に、八月十五夜雨ふれば、来年元日快晴也、若十五夜晴るヽときは、元日雨ありといへるよし、或物に記したり、両三年これおこヽろみるに、多くは違はず、〉 新月〈三五夜中新月色、白楽天詩、〉端正月〈事文類聚、今の人八月十五夜お以、良夜とするは誤也、書言古事に、良夜は深更なりとあり、しからば秋の夜にも〉〈限べからず、〉芋名月〈俗間、今日必芋と団子とお食ふ、故に芋名月の名あり、〉