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光台一覧

十三日、〈◯九月〉今夜は名残の月とて眺賦せる事、異朝には例なし、和国にては後朱雀院いまだ潜竜の御時、枢要の公卿御発鬱之御為にて、彼御所へ参上して御遊お催し、枝豆お供じて慰め奉る、其明の年御位に即玉ひしかば、御佳例と有て、明の年よりも九月十三夜の月おも、賞し詠させたまひける例とかや、