[p.1320][p.1321]
公事根源
九月
重陽宴(○○○)     九日九月九日は、節日にて侍れば、菊花の宴行はるヽ也、是お重陽宴と申す、九月九日は、月と日と九陽の数に協がゆえに重陽とはいふ也、昔は天子南殿に出御なりて節会行はる、上達部御子たちよりはじめて、其道のはみな探韻給はり、文つくりて、文台にすえてかうぜらる、十月旬のみにあらず、今日も氷魚お給ふ(○○○○○)例あり、又群臣に菊酒お給はり、大かたは五日〈◯五月〉の節会に同じ、御帳左右に茱萸の嚢おかけ、御前に菊瓶おおく、