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年中行事歌合
二十七番 左 重陽宴   内大臣
きくもみぢ折しくひ魚お取そへてけふたまふなるみきのさかづき〈◯中略〉
 左、九月九日せちえにて侍れば、菊の花のえんおおこなはれけるなり、此重陽と申は、九おば陽数なるよし易にも申なり、月も日も九なれば重陽といふなり、詩などかうぜられて、いとおもしろき事なり、今日ぐんしんにひおヽ給ふ事ためしあるにや、なべては十月の旬にこそひおおば給ふべきに、此せちえにもためし有事にや、