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幕朝年中行事歌合

二十六番 左 重陽参賀
祝ひおく世お長月の袖の上にちらぬ花田の色お見るかな〈◯中略〉
重陽参賀は、九月九日に行はる、弥生三日、さつき五日の節にかはる事なく、唯出仕の面々、花田色の小袖に長袴おきる、むかしはさもなかりしにや、いつとなく此色にのみなれりけるお、旧きお捨じとにや、目付衆の中に、ひとり二人つるばみの色お交へ著る也、此日両御所にも、千くさ色の御衣お奉る、