[p.1338]
洞中年中行事
九月
九日、重陽と雲て、菊花お弄事如常、入夜而御殿の南階に菊花お多植、其菊に赤白黄色々の染綿お丸菊花に作りて枝々に付る也、御盃事あり、女房皆小袖、袴、結中御陪膳也、其後別当より女蔵人まで、皆右之綿お菊に蓋ふなり、簾外階前に燭左右に立て、其前に右の綿お大たかに包、広蓋にのせ、内侍簾中より持出る也、又今日より葵お菊に取かへらるなり、此外不及見不知也、