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紫式部日記
九日〈◯寛弘五年九月〉菊の綿お兵部のおもとのもてきて、これとのヽうへの、とりわきて、いとようおいのごひすて給へと、のたまはせつるとあれば、
 菊の露分るばかりに袖ぬれて花のあるじにちよは譲らん