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枕草子

九月九日の暁より、雨すこし降て、菊の露もこちたくそぼち、覆ひたる綿などもいたくぬれ、うつしの香も、もてはやされたる、つとめては、やみたれど猶くもりて、やヽもすれば、降り落ぬべく見えたるもおかし、