[p.1340]
弁内侍日記

九月〈◯寛元四年〉八日、中宮の御かたより、菊のきせわたまいりたるが、ことにうつくしきお、朝がれいの御つぼの菊にきせて、夜のまの露もいかヾとおぼえわたされて、おもしろく侍しかば、弁内侍、
 九重やけふ九日の菊なれば心のまヽに咲せてぞみる