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類柑子

御玄猪 細川家の茶道、京都の御内縁につきてのぼりし比、近衛左大臣〈基熙公〉御茶にめして、御手づから御菓子お下し給へり、碁石形して色々に染たる餅也、偖仰せ下さるヽやうは、此餅はきのふ御玄猪なりし宸宴供拝のあまりなり、いたヾきおさむべきにこそ、〈◯中略〉援に丹波ののせの郡久路の庄より、御玄猪〈餅の名也〉備へ奉る事、内蔵寮より是お行ふ也、昔おしのぶべき御心ばへとかや、〈◯下略〉