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年中定例記
殿中従正月十二月迄御対面御祝已下之事
一亥の日暮ておもてにて御祝参、其様ちいさき餅五色なるお、角の折敷につみて、さきに五色の粉すはり候、又前の如くの餅お二三百、御四方につみたるがまいる、さて面々一人づヽ御参候へば、其おほき餅お一つ御取候て、そと御口にあてられてまいらせられ候、御たまはり候て、御頂戴候て、御まいり候、面々過て、其おほき餅お、御対面所の御さいのきはに、御配膳の人御おき候、其お外様衆一人づヽ被出候て、一づヽとられ候て頂戴候、外様衆過候ては、此御膳おあげられ候、さて又餅つみたる膳参候、前のごとく御取候て、御供衆、御部屋衆、申次、摂津、二階堂、小笠原直にたまはられ候て、さて公家の御かた〴〵御出候、
一餅おたまはられ候て、頂戴候てくひ候が能候由、貞宗申され候つる、懐中したるがよきといへり、又わろしとも被仰候、人によるべし、
一禁裏様御源猪のつヽみ紙お、一番に伝奏御持参にて、ひろげて被参候へば御頂戴候、其次に伝奏御給候、
一国々又御不参候大名、国持衆は、御源猪お申出され候、女中より御つヽみ候て御出し候、急度したる方へは、下絵のつヽみ紙につヽみて、その上お杉原にてつヽみ候て御出候、中臈の御役なり、大方の衆へは、きりはくの御つヽみ紙、其外は引合也、つヽみ様あり、観世大夫には、下絵のつつみ紙にて候、申次遣之、