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倭訓栞
前編十九那
なおひ 儺追の義也、尾張国国府の社などにいへり、遠江国淡海国玉神社にも、古へありし事にて、なおひ祭といひしとぞ、なやらふと義通へり、正月十三日の夜、旅人お捉へ、土餅お負せて逐ふ也、茅にて小人形お作りて儺お擊つ、此お小形と称す、別に大形ありて儺に負す也、元亨釈書に、筑紫観音寺に、正月上旬、行人お捉て駈儺お行ふよし見えたり、浮屠修正の法にして、神事と心得るは非也、鬼走の条考へ看べし、