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東都歳事記
一正月
元日 浅草寺修正会、除夜より正月六日に至る迄、七日の間毎夕儺あり、 衆徒六人弟子二人出仕、これお勤む、夕七つ時頃、宝前に於て読経唄散華あり、後衆徒壱人袈裟衣のまま、鬼面お持、面へかざして出る、又壱人竹杖おもちて是お追ひ、龕お廻る事三度なり、此間かね太鼔乱調に打ならす、〈◯中略〉 東叡山中堂のおにやらひは、元日より七日迄、毎夕八つ半時修行あり、一山薬師の十二願およみ、後銅羅、太鼔、螺貝等の鳴ものにて、鬼面おかけたる僧お追ふとぞ、中門お閉してより修行あり、ゆえに庶人は見る事なし、