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歳時故実大概
十二月
一節分〈立春の節の前日なり〉 今宵門戸に鰯のかしらと柊の枝お挿て、邪気お防ぐの表事とし、又炒大豆お升の器に入て、夫お暗に打はやして祝ひ賀す、〈◯中略〉 按に、今宵大豆おまくは、古人追儺の遺風なり、其追儺と雲は除夜の儀にて、〈俗には大歳といえり〉節分の夜の事にはあらず、されども俗習都鄙共に、今宵此大豆まく事お営み祝へば是又俗に随ひて援に記すなり、