[p.1393][p.1394]
御湯殿の上の日記
慶長九年正月七日、せつぶんの御いわひ、まも、まめにて一こん参る、まめよはうへくいにうちそめまいられて、いつものごとく、長はしうちまいらせられ、竹内よりついなかう参りて、御かきあらせらるヽ、べちでんにながはしへならします、御さか月三ごん参る、女中御ばんしゆ御とおりあり、 十二月十八日、せつぶんの御さか月、まも、まめにて一こん参る、まめよはうへむかせられ候て、御所にうちそめまいらせられて、そうへは、長はしうちまいらせ候、竹田よりついなかう参る、御さか月のうちに、かきまいらせらるヽ、べちでんに女院の御所へならします、こん三こん参る、御みやげに、しろがね十まいまいらせらるヽ、三の宮の御かたへ、ひいな、はりこ一つヽみ参る、女院の御所々々へ、いつものごとく御ほしまいらせらる、
 ◯按ずるに、是歳八月に閏あり、因て年内に二度の節分の祝ありしなり、