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守貞漫稿
二十七
節分の夜、大坂の市民五六夫、或は同製の服お着し、或は不同の服も有之、其中一人生海鼠に細縄おつけ、地上お曳き巡る、其余三四夫は各銅鑼、鉦、太鼔等お鳴して曰、うごろもちは内にか、とらごどんのおんまひじやと呼び、自家及び知音の家にも往て祝すことあり、うごろもちは土竜お雲也、江戸にては、むぐろもちと雲、坂人今夜のみ生海鼠おとらごどの、虎子殿と雲、伝雲、行之年は、其家土竜地お動さず雲々、最も古風お存せり、