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御湯殿の上の日記
慶長三年十二月十八日、御すヽはきの御ふれあり、こよひより御ゆどのヽうへならします、さけの御くばりあり、十九日、御煤はきいつものごとくあり、常の御所ばかりにうちに御ゆどのヽうへにて、かちん御てんにて二こんまいる、女御女中みな〳〵御祝まいる、男たちすえにて、あつ物御いはいあり、しんじほうけん、権すけ殿、かんろじ、つねの御所の御ざのうへに、たいそうの御屏風一さうたてられて御祓あり、夕かた御煤はきの御いはい三ごん常の御所にてまいる、初こん三つさかな、二こんそろ〳〵、三ごんかうぢまいる、准后、女御、御しやうばんの女中も、そろ〳〵御すわりあり、めでたし〳〵、長はし御すヽはきには、いつも御盃御いたヾき候へ共、わづらひにて御まいりなし、