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改正月令博物筌
十二月
餅搗〈餅花、餅むしろ、賃搗、青むしろ、長崎の柱餅、正月祝ふ餅お年内つきて、新しき筵に載おくなり、餅花といふ小さき餅お、柳の枝に数多つけて、はなのかたちおなす、賃搗といふは、繁華の市中には、釜甑杵臼など持て人の家に来り、一臼搗賃何ほどヽ賃お取て搗おいふ、三四十年前よりおこれり、柱餅といふは、肥前の長崎にては、年のくれの餅搗には、終りの一臼お柱へ巻付置、正月十五日、東土の火にて焙り喰ふとぞ、〉