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日本歳時記
二正月
十四日 今夜蘿蔔にて臼、杵、判金、いろ〳〵の物作りて折敷につらね、蓑笠きて人のもとへ持行、かのおしきお戸の内へさし入て置お、あるじの方より取て、その折敷に米糕など入て、もとの所にかへせば、持来し人とりて帰るお、かねてより水おくみ置て是にかけ、わらひのヽしる事あり、郷国にては、とび〳〵といふ、四国には、かいづりといふよし聞ぬ、西国にて此日薄暮より明暁に至まで、うぐろもちお打とて、藁おつかねて地お打事あり、土おかためんとにや、東国には此事なしとぞ、げにかヽるよしなし事、俗にしたがひて何かせん、せずして礼義に害なくば、せざるにしかじ、