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妙法寺記

永正十二、〈乙亥〉此年は十月〈◯十月、一本作十二月、〉十二日の夜より雪降、大雨と雪と同心に降るに依て、大地殊の外に氷て、芋もほりえず、菜なども一本も取るまも無之、さしおくによつて、なも徒らにすつる、芋も如此致候間、中々言語同断飢饉となるなり、地下のわびこと無申計、此年は耕作、田畠、粟稗悪し、総て作る程のものは、いかにも悪し、きヽんす、寒きこと前々にも過たり、