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太平記
三十八
彗星客星事附湖水乾事
又今年〈◯北朝康安二年、南朝正平十七年、〉の六月より、同十一月の始まで旱魃して、五穀も不登、草木も枯萎しかば、鳥はねぐらお失ひ、魚は泥に吻(いきづく)のみならず、人民共の飢死ぬる事、所々に数お不知、