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民間備荒録

食草木葉解毒法 荒政要覧雲、嘗見苦行僧人入山耽静、必炒塩入竹筒携往雲、食草葉有毒、惟塩可解、しかれば荒歳第一の解毒は、塩にしくはなし、飢民の死するは、塩の貯へ尽て後、毒草お食するゆえ死するよし、今こヽろむるに皆しかり、塩にて解せざるは、救荒解毒丹お用うべし、もし毒つよくして解せずんば、砕穢広済丹おかね用うべし、此薬は四五十け村へ施薬したるなり、もしつよく毒にあたりたるものは求め用べし、 又総身浮腫水腫のごとくなるのみにて、余症なきものは、五加木(うこぎ)の根お煎じ飲ば、腫ひくものなり、