[p.0003]
空穂物語
藤原の君
いやしき人のはらに生れ給へるみかごの御子、三春といふさう(○○)〈姓○〉お給はりて、わかきときより、くにおおさめ、位まさり、とくのたかくなるまで、めもまうけず、つかひ人もつかはね人あり、