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大鏡

さてもぬしのみなは、いかにぞやといふめれば、故太政大臣殿〈○藤原忠平〉にて元服つかうまつりし時、きんぢがさう(○○)〈○さう板本作姓(しやう)、今従一本、〉は、なにぞとおほせられしかば、なつやまとなん申と申しお、やがてしげきとなんつけさせ給へりしなどいふに、いとあさましくなりぬ、