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倭訓栞
前編六/加
かばね、神代紀に尸およめり、皮骨の義也、顕宗紀に骨字もよめり、柾およめるは義訓也、骸も同じ、神代紀に姓、又姓氏およむは、尸より出たる詞也、続日本紀に、根可婆禰といひ、姓氏録に、人民の氏骨(かばね)といへる是也、さるお姓氏楹の外に、日本にては別に尸といふ事あらとおもへるは誤也、太古は姓氏の沙汰なし、西土も同じ、又姓氏の別ありしも、姓と氏とお混ぜり、漢高祖お姓劉氏といふが如き是也、