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宝石類書
十/姓氏
姓氏並尸
定基卿答、日本にて姓氏差別は、分明にみえ不申候、如被示候、国史に賜姓など候は、姓の字かばね卜訓多候得共、此仮名付候もの、未見及候得者、押てかばねとも訓がたく候、又朝臣宿禰の類おかばねと申すことは、いかなる義とも未勘得候、如被示朝臣宿禰の類にて、姓氏高下おわかち申候事に候、同朝臣は、朝の臣下と申こヽろにて候哉、答、朝臣はかばねと申ものにて、朝の臣と申処にきおつけ候へばあしく候、尸は人の尸骨と申て、人の種姓の根本にて候、かず廿四有之候うち、朝臣第一にてよく候、たとへば、丹後守越智宿禰とかき申候、越智は姓にて候、宿禰は尸にて候、越前守清原真人、是も清原は姓、真人は尸にて候、