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姓序考
氏上
氏とは源平藤原秦などのたぐひのものお雲り、其氏に大氏小氏のけぢめあり、そお雲は、阿倍氏〈孝元天皇皇子大彦命之後〉は大氏なり、是より別れたる阿倍志斐、阿倍間人、阿倍長田、阿倍陸奥、阿倍安積、阿倍信夫、阿倍柴田、阿倍曾津、安倍猨島、阿倍久努、阿倍小殿、和安部等はみな小氏なり、又物部氏〈神饒速日命之〉後は大氏なり、自是別れたる物部肩野、物部韓国、物部飛鳥、物部門、物部多芸、物部石上、物部射園、物部浄志、物部海、物部鏡、物部匝瑳、物部中原、贄田物部、相槻物部、坂戸物部、二田物部等みな小氏なり、小氏は大氏にしたがへるもの也、
○按ずるに、氏の大小は、其族の広狭お以て別づものあり、宜しく次下引く所の天智紀、古語拾遺等お参考すべし、