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氏族考

この古風と雲事は詳かならねど、類聚国史に、国栖隼人蝦夷などの類お風俗と雲るが如き意にて、秦漢とはかはりて、自ら風俗の古朴なる由にて、古風とは雲りしなるべし、
〇按ずるに、古風は占風の誤なるべし、三代実録貞観元年六月二十三日丁未、太政官、渤海国の中台省に送る牒に、扶桑崇浪、日域遐邦、欲占風(○○)〈○占風二字原作古風、今拠類聚国史、〉而桂席、期限歳而寄音、泛々軽舟、罕過凌雲之水、拳々方寸、弥増披霧之情雲々といへる、以て徴とすべし、