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玉勝間

朝臣といふ字の事
かばねの朝臣は阿曾美(あそみ)にて、吾兄臣(あせおみ)といふことなり、然るお天武天皇の御世に八色のかばねお定め給へる時よら朝臣とは書始められたり、そは此字のあさおみの訓お借て約めたる物ながら、字義おも思ひでの事なるべし、漢籍にも蔡邕が独断に、公卿侍中尚書衣帛而朝曰朝臣、諸営校尉将大夫以下、亦為朝臣と雲ることあれど、かの国の書には常にはなさ〴〵見えぬ称なり、