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古事記伝

連は加婆禰(かばね)にて、〈○註略〉牟良自(むらじ)と訓、〈万葉八、中臣朝臣武 〓自(むらじ)、続紀九、紀朝臣牟 〓自(むらじ)など人名にも見ゆ、〉群主(むらじ)の意か、〈主お自(じ)と雲は宮主(みやじ)の如し、戸母(とじ)主(あるじ)の 自(じ)も此なるべし、〉其群の中の主と雲意なり、〈凡て加婆禰は貴みて雲称なり、故師は崇名(あがまへな)の約りたるなりと雲り、〉さて連字お書故はさだかならず、〈礼記王制に、十国以為連、連有帥雲々、註に合十国為連比、有帥以統之也とあり、是お取れるなりと谷川氏は雲き、さも有べきか、群主の意、即かの連帥に似たり、〉又万葉廿〈廿丁〉に多々美気米(たヽけめ)、牟良自加已蘇乃(むらじかいその)と続たるは、畳薦お編と雲かけたるなり〈阿お略く〉とある師説おもて思ふに、たヾ語の上のみの続けにも非で、牟良自(むらじ)と雲に、編連る意ある
故にても有べし、