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古事記伝
十五
道師は、神代紀に、道主貴(みちぬしのむち)、開化天皇の御孫に丹波道〈の〉主〈の〉命あり、欽明紀に、道君おみちのうしと訓り、然れば本より此称有しに、道師字〈の〉お塡られたるなり、かくの如く何れも其称はもとよりありつれども、姓の加婆禰(かばね)となれるは、此御世より始まれることなり、さて道師は、此時〈○天武〉八色の一に定められしかども、此加婆禰の姓は、後までも物に見えたることなし、