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氏族考

道師は美知乃之(みちのし)と訓て、道は諸道お雲り、〈諸道の職工の類〉師は師匠など雲ふ師にはあらで、為(し)の義なる事、刀研お研師(とぎし)と雲ひ、壁塗の工お塗師(ぬりし)と雲に同じく、諸道の業に堪たるものお道師と雲しなるべし、〈○中略〉所謂美知乃之とは、土師(はにし)、贅(にえ)〈の〉土師、〈日本書紀〉倭〈の〉鍛師(かぬちし)、〈旧事紀〉黄書画師(きふみのえし)、山背〈の〉画師、高麗画師、〈日本書紀〉河内画師、難波〈の〉薬師(くすし)、〈続日本紀〉蜂田〈の〉薬師〈姓氏録〉など職工技芸に係れる者お総称るにて、道師と雲、一つの姓ありしにはあるべからず、