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古事記伝
三十三
阿直史は、阿知伎能布美毘登と読べし、〈直字お書れば濁音にてもあらむか、今は阿知吉師の名に依て、知お清音とはせるなり、又史は淡海公の名など不比等とも書れば、美お省いて 布比登とも訓べし、〉阿直は姓なり、祖名に依れるなるべし、史(ふみひと)は書人(ふみひと)の意にて尸なり、此外にも、船史、壱伎卑史、候史など、なほ姓氏録の諸蕃に、史の尸の氏々多し、さて書紀にも、阿直岐者、直岐史之始祖也と見え、天武巻に十二年冬十月、阿直史賜姓曰連、