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古事記伝
四十四
他田(おさだの)宮、〈他の字、旧印本に池と書るは誤なり、〉他は袁佐(おさ)と訓〈む〉、書紀に訳語(おさ)と書れたる意なり、〈推古紀に通事(おさ)ともあり、又欽明紀、姓氏録、和名抄の筑前の郷の名などに、日佐(おさ)とあるは仮字なり、但此も韓国より書る字なるべし、さて此の日の字お、日と作(かけ)るは写誤なり、さて袁佐(おさ/○○)と雲は、或人韓語なりと去る、然(さ)もあるべし、又他と書は、此も韓国よりのことか、将皇国にての事にて、隈お前(くま)、股お俣(また)と書の類にや、其意知りがたし、他国の語お通はす由かとも思へど、然にはあらじ、〉