[p.0133][p.0134]
古史徴
一夏
此に録されたる諸氏の数お、委く本編お数へ試むるに、一巻は皇別真人の諸氏四十四氏、〈本どもに三十三氏とあるは誤なり〉二巻左京の皇別上に四十二氏、〈今本に三十二氏と有は誤なり〉三巻左京の皇別下に三十二氏、四巻右京の皇別上に三十三氏、五巻右京の皇別下に三十四氏、六巻山城国の皇別に二十四氏、七巻大和国の皇別に十八氏、八巻摂津国の皇別に二十九氏、九巻河内国の皇別に四十五氏、〈今本に四十六氏と有り〉十巻和泉国の皇別に三十三氏、十一巻左京神別上に三十八氏、〈天神の末のみあり〉十二巻左京の神別中に二十三氏、〈内十九氏は天神の末、四氏は天孫の末なり、〉十三巻左京の神別下に二十一氏、〈天神の末三氏、天孫の末十六氏、地祇の末二氏あり、今本に二十氏と有は誤なり、〉十四巻右京の神別上に三十四、〈内三十二氏は天神の末、二氏は天孫の末也、〉十五巻右京の神別下に二十九氏、〈天神の末二氏、天孫の末二十氏、地祇の末七氏あり、今本に二十八氏と有は誤なり、〉十六巻山城国の神別に四十五氏、〈天神の末三十二氏、天孫の末十一氏、地祇の末二氏あり、今本に三十五氏と有は誤なり、〉十七巻大和国の神別に四十四氏、〈天神の末二十三氏、天孫の末十四氏、地祇の末七氏あり、〉十八巻摂津国の神別に四十五氏、〈天神の末二十四氏、天孫の末十三氏、地祇の末八氏あり、〉十九巻河内国の神別に六十三氏、〈天神の末四十七氏、天孫の末十三氏、地祇の末三氏あり、〉二十巻和泉国の神別に六十氏〈天神の末四十三氏、天孫の末十六氏、地祇の末一氏あり、〉二十一巻左京の諸蕃上に三十五氏、〈すべて漢人の末族なり〉二十二巻左京の諸蕃下に三十七氏、〈漢人の末四氏、百済人の末十四氏、高麗人の末十五氏、新羅人の末一氏、任那人の末三氏あり、〉二十三巻右京の諸蕃上に三十八氏、〈皆漢人の末なり、今本に三十九氏と有り、〉二十四巻右京の諸蕃下に六十二氏、〈漢人の未五氏、百済人の未四十六氏、高麗人の末八氏、新羅人の末三氏あり、今本に林、林連同祖、百済国人木貴之後也とある次に、大石林同上とある氏お脱し、高安下村主、高麗国人大鈴之後也とある次に、後部王同国長王之後也と有お脱せるお、古本に依りて補ひて数へたり、今本に六十三氏と有り、〉二十五巻山城国の諸蕃に二十二氏、〈漢人の末九氏、百済人の末六氏、高麗人の末五氏、新羅人の末一氏、任那人の末一成あり、〉二十六巻大和国の諸蕃に二十六氏、〈漢人の末十一氏、百済人の末六氏、高麗人の末六氏、新羅人の末一氏、任那人の末二氏なり、〉二十七巻摂津国の諸蕃に二十九氏、〈漢人の末十三氏、百済人の末九氏、高麗人の末三氏、新羅人の末一氏、任那人の末三氏あり、〉二十八巻河内国の諸蕃に五十五氏、〈漢人の末三十六氏、百済人の末十五氏、高麗人の末三氏、新羅人の末一氏あり、今本に山田連.山田宿禰の同祖、忠意之後也とある次に、山田造、同上とある氏お脱せり、今は古本に依りて補ひて数へたり、今本に五十六氏と有り、〉二十九巻和泉国の諸蕃に二十氏、〈漢人の末十一氏、百済人の末八氏、新羅人の末一氏あり、〉三十巻未定雑姓に百十七氏、〈皇別二十二氏、神別四十七氏、蕃別四十七氏あり、今本に、古氏、百済国人竿古都助之後也とある次に、加羅氏、百済人都玖君之後也とある氏お脱せり、今は古本三に依て補ひて数へたり、今本に一百十九氏と有は誤なり、〉此お都合せて千百七十七氏あり、此処に録されたる員数に五氏足ざるは、後に書写す時に其諸氏お脱(おとし)たる物か、また此文の八二は七七の誤なるか、今知べき由なし、〈されど此お奏進らるヽ時の表文にも、凡一千一百八十二氏とあれば、誤れるにも非ざるか、かにかくに今は知がたければ、古本と、今本と数の合ざるお悉く誤とも定がたし、〉