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多々良問答

一臣下姓事
藤氏お本と心得べき事にて候、其故は、入鹿大臣(源平藤橘、此四姓お高貴の姓として候也、藤氏も姓は中臣の段、勿論候、)お可被誅之由お大織冠に御勅諚にて成就候、藤の陰にて被仰合によりて、藤原と姓お給らせ給ふ、多は中臣、大中臣、(異説也、藤原は所の名也、見国史、又藤原、允恭の御時、そとおり姫居処お藤原と雲、然れば今更の儀にてなし、)江家など(見日本紀、/此分不明)わかれくだりて、其数多候、神家に中臣と部など始とすと被仰聞候き、如何(此分に候)、