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異本曾我物語

助親、〈○伊藤〉心ひそかに思ふむねありければ、兄〈○助継〉のため、忠あるよしにて、後家にも子〈○助継子金石〉にも、勝れて孝養精誠おぞ尽しける、〈○中略〉金石にも心やすき乳母おつけてやしなひつヽ、遺言にたがはずして、十三年と申しヽには元服させ、宇佐美宮藤(○○○○○)次郎助経と名乗らせ、娘の万劫にめあはせて、次のとしの秋.ひき具して上洛す、