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太平記

長崎次郎高重最後合戦事
高重、今はとても敵に被見知ぬる上はと思ければ、馬お懸居、大音揚て名乗けるは、桓武第五の皇子、葛原親王に三代の孫、平将軍貞盛より十三代、前相模守高時の管領に長崎入道円喜が嫡孫、次郎高重、武恩お報ぜんため討死するぞ、高名せんと思はん者は、よれや組んと雲儘に、〈○下略〉