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館林盛衰記
長尾但馬守館林へ寄事
五十百余の武者、〈○中略〉高声に被申けるは、戦場にのぞむ人毎に、討死お不志といふものなし、然ども今日の合戦に、我一人死せんずる也、子細は兼て覚えつらん、是は清和天皇の後胤、足利氏の末流、栗屋十郎が末孫に、小曾根玄蕃允正好なり、諸野因幡守〈○秀氏〉はおはせぬか、出合給、大刀打し、敵味方のねぶりお覚させ申べしと、勢ひあたりおはらつて扣給ふ、